行政書士試験に合格して一安心。すぐにでも仕事を始めたいですよね。
行政書士を名乗るには事務所のある都道府県の行政書士会に登録する必要があります。
実は登録していない試験に合格した人は行政書士として仕事を受けたら違法になり、行政書士法 第二十一条により一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
行政書士試験に合格した人は「行政書士有資格者」と呼ばれまだ登録が済んでいない状態。このまま仕事を受けては罰則を受けてしまします。
今回は、「行政書士」「行政書士有資格者」「補助者」について深く見ていきましょう。
行政書士とは
行政書士とは、行政書士試験に合格した後、登録を済ませた者を言います。
様々な種類の書類を代理で作成し(末尾に作成代理人 行政書士○○ ○○と記入します)、さらに提出もできます。
原則的に申告書や届出書は本人の申請が必要。行政書士はその代理権を委任状によって取得します。
また、職務上請求書というものを使い、委任状がなくても業務に必要があれば戸籍や住民票の取得することができます。ここが士業において大きなポイント。他にも弁護士や税理士も職務上請求書を使うことができます。
行政書士有資格者とは
行政書士試験に合格した場合「行政書士有資格者」という呼び方をします。
これは、行政書士同士では有資格者という単語は一般的です。奥さんも行政書士に合格しているけど登録をしていないケースなどがあります。
有資格者と名乗っても良いの?
行政書士同士では有資格者と話しても問題ないと思いますが、違法となる可能性があります。
行政書士法の第19条は下記の定めにより、行政書士の名称等の使用を厳格に禁止しております。
(名称の使用制限)
第十九条の二 行政書士でない者は、行政書士又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
2 行政書士法人でない者は、行政書士法人又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
これに反すると100万円以下のの罰金処分となります。
行政書士有資格者がこれに該当するかもしれません。行政書士有資格者と聞くと「行政書士」「有資格」とあるので行政書士と間違える人がいるかもしれません。あまり、登録されている「行政書士」と誤認される可能性は避けたほうが良いでしょう。
「行政書士有資格者」の名刺を作る方もいらっしゃいますが、あまりお勧めしません。名刺を作る際に行政書士の紋章であるコスモスマークの使用は禁止されています。
これが、各行政書士会や日本行政書士会連合会に摘発された場合、今後行政書士の登録ができなくなる可能性もあるので注意が必要です。
補助者という選択肢もある
行政書士は業務に必要であれば、仕事を助けてくれるパートナー、「補助者」を設置することができます。
補助者とは次のように規定されています。
(他人による業務取扱の禁止)第四条 行政書士は、その業務を他人に行わせてはならない。ただし、その使用人その他の従業者である行政書士(以下この条において「従業者である行政書士」という。)に行わせる場合又は依頼人の同意を得て、他の行政書士(従業者である行政書士を除く。)若しくは行政書士法人に行わせる場合は、この限りでない。(補助者)第五条 行政書士は、その事務に関して補助者を置くことができる。2 行政書士は、前項の補助者を置いたとき又は前項の補助者に異動があつたときは、遅滞なく、その者の住所及び氏名を行政書士会に届け出なければならない。補助者を置かなくなつたときも、また同様とする。
行政書士の業務のお手伝いをしてくれる人を「補助者」と呼びます。
一般の従業員さんと補助者と両方とも雇うこともありますし、従業員さんだけ、補助者だけと、運営形態に合わせて選択できます。
一般の従業員と補助者との差
行政書士士事務所は一人でも行政書士がいれば開設することができます。
しかし、資料の作成や調査、相談、応対とすべての業務をこなしていては身がもちません。
すこしでも業務への負担を減らすために設置されるのが補助者です。
補助者は履歴書、誓約書、住所を証する書面などを本会に提出して登録を行います。
登録が完了すると補助者へ「補助者証」「補助者章」が支給されます。
いわゆる写真付きの証明書と襟元に付けるバッジです。
一般の事務員には、登録も補助者証も補助者章もありません。
業務の差
一般の事務員も補助者も行政書士を手助けしてくれることには変わりありません。
しかし、一番の違いは、書類の提出ができること。
補助者は、官公庁の窓口で「○○行政書士の補助者」として申請書を提出することができます。
もちろん窓口で補助者証を確認されます。忙しい行政書士にとってわざわざ窓口まで行く必要がなくなり非常にありがたい存在です。
また、上記でもあった職務上請求書を使用し住民票などを取りに行くこともできます。
補助者の求人
日本行政書士連合会のアンケートによると補助者を置いている事務所は3割ほど。
ほとんどの行政書士が一人~三人で経営をしているところがほとんどです。
実際に求人を出しているところは少ないでしょう。求人サイトや資格の予備校などでたまに見かける程度。
見つけたらラッキー、すぐに応募しましょう。ライバルが多いです。
実際、補助者として働くとなると、接客から書類作成、請求書とかなりの部分を任せらることでしょう。
今後、一人立ちをしていくつもりならとても勉強になると思います。
また、仕事の繁忙期は帰りが遅くなったり休日出勤が増えたりすることもしばしば。
きっちり定時で帰るより最後まで仕事をやりぬくタイプの方が向いているでしょう。
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